美容部員の平均給料・年収相場はいくら?年収UPするために必要なポイントは?
「美容部員になりたいけれど、どれくらい稼げるものなの?」
「せっかくなら稼げるところに就職(転職)したい!」
「今よりも収入を上げるためにはどうすればいい?」
自分のキャリアとして美容部員(ビューティーアドバイザー/BA)を目指す上で、収入のことは気になるものですよね。
また、すでに美容部員として働いている方の多くは、収入アップを目指しているのではないでしょうか?
今回は、美容部員の給料・年収、福利厚生に至るまで、収入アップの方法を解説します。
美容部員の給与・ボーナスの相場は?
美容部員(ビューティーアドバイザー)の雇用形態は、主に次のようなものがあります。
・派遣
・契約社員・正社員
それぞれの給与・ボーナスについて解説します。
美容部員の月収の相場
派遣社員
派遣社員の給与は、基本的に時給となります。
首都圏エリアでは未経験でも1400円スタートのところが多いため、1日7.5時間勤務で21日働いた場合、月給は約22万円となります。
ただし、この数字は首都圏エリアの時給であるため、お住まいのエリアによっては変動があることに注意しましょう。
契約社員・正社員
契約社員や正社員で採用された場合、経験や年齢によって変動があるところがほとんどですが、おおよそ20万円〜35万円であることが多いようです。
会社によっては、ここにインセンティブがついてくることもあるため、「頑張りが数字に表れやすい」と言えるでしょう。
美容部員の年収・ボーナスについて
美容部員の年収
美容部員の年収は、約280〜400万円となっています。280万円よりも少ないケースも考えられますが、働くエリアやブランドによって異なることもあるため、一度計算してみると良いでしょう。
美容部員のボーナスは?
会社によって、ボーナスが支給されるところがあります。派遣社員の場合は時給に組み込まれていることがあります。すでに派遣社員として働かれている方は確認してみてください。
なお、契約社員・正社員の場合は【給与2ヶ月分を年に1回】のような支給スタイルであることが多いようです。そのため、年収は以下のような計算となります。
⚫︎年収の計算方法
月収(14ヶ月分)+ インセンティブ + 各種手当
昇給の可能性について
美容部員は、昇給の可能性もあります。多くの場合は「昇給あり」となっており、年に1回は昇給が期待できます。ただし、金額等については会社の規定によって異なるため、労働条件を確認する際は昇給の規定などについて聞いておきましょう。
美容部員のインセンティブとは
美容部員は、自社ブランドや会社が扱う商品を一定数以上販売するなど、決まって規定をクリアすることでインセンティブを得ることができます。
基本給というベースに加えてインセンティブを得られるため、自分の頑張りが収入という数字に表れます。
ここからは、美容部員のインセンティブの内容について解説します。
インセンティブの内容
インセンティブには様々なものがありますが、いくつかの特徴があります。
①個人や店舗の売り上げ達成率によって支給される
多くの場合、インセンティブは個人もしくは店舗の売り上げ達成率によって支給されます。毎月の「売り上げ目標」などが示され、その数値を個人(もしくは店舗)が達成した場合、その達成した数値に応じた金額が追加されるものです。
特に、個人の場合は自分のスキルや経験、工夫によって売り上げが変わり、その結果がインセンティブで返ってくるため、やりがいに直結すると言えます。
店舗全体での取り組みの場合、お互いが協力したり成績が振るわない人をフォローする体制が自然と生まれるというメリットや、毎月インセンティブを得られる人が多く発生する人が現れるでしょう。
インセンティブは、基本給への上乗せとなるため、自分の力で収入を上げる一番の方法と言える反面、人によっては「足を引っ張られている(引っ張っている)」といったマイナスな感情や、劣等感を生んだりやる気の減少につながることもあります。
②金額はブランドによって異なる
インセンティブは、その店によって設定されるものです。また、ブランドが各店舗にインセンティブを支給することもあります。金額はそれぞれのブランドで異なりますが、おおよそ3000円から80000円とかなりの差があります。
③インセンティブは金銭だけではない
インセンティブと聞くと、多くの方は収入への上乗せであるというイメージが強いのではないでしょうか?しかし、ブランドによっては沖縄や海外への旅行がプレゼントされるなど、様々なインセンティブ制度があります。
インセンティブにも工夫を凝らすことで、各企業は自社ブランド商品の売り上げアップを目指しています。美容部員としての努力やプロ意識に対しての還元なので、「インセンティブが全て」というわけではありませんが、一つの目標としてインセンティブ取得は良い目標となるでしょう。
美容部員の福利厚生について
美容部員として働く上で、福利厚生は気になるものです。
一企業として当然のものもありますが、健康診断や教育制度など、自分のキャリアアップを補助してくれる制度があれば、それはその企業を志望する動機の一つにもなるはずです。
ここからは、雇用形態別にどのような福利厚生があるのか解説します。
派遣社員の場合
派遣社員の場合、以下のような福利厚生が多いようです。
・交通費全額支給(一部の場合あり)
・社会保険、雇用保険
・有給休暇
・社割制度
・商品貸与
・雇用切り替え制度(派遣から直接)
・制服貸与
・eラーニングによる教育制度
・健康診断
派遣社員として働く上で、直接雇用の機会があるかどうかは重要です。
派遣社員は、労働者派遣法で同じ事業所の同じ部署で就業できる期間が3年まで(原則)と決まっています。いわゆる、「3年ルール」です。
しかし、雇用切り替え制度があれば正社員や契約社員などの直接雇用のチャンスがあるため、自分の頑張りと評価によってそのまま安定した就労につながります。
派遣社員での求人しかない場合でも、福利厚生の制度に「雇用切り替え制度」があるかどうか確かめてみましょう。
正社員の場合
正社員の福利厚生は、基本的には派遣社員と変わらないようです。
・交通費全額支給(一部の場合あり)
・昇給、賞与
・社会保険、雇用保険
・有給休暇
・産休、育休制度
・社割制度
・商品貸与
・制服貸与
・健康診断
正社員の場合、注目すべきは「昇給、賞与」と「産休、育休制度」でしょう。特に「産休、育休制度」は、基本的に女性が活躍する美容部員という仕事において重要な福利厚生です。
実際のところ、この制度を活用して子育てが一定落ち着いて復帰する人は多いようで、同じ経験をした仲間がお互いに支え合う環境が整っているところがあるようです。
一部ブランドでは…
また、一部のブランドではこれまでに紹介した福利厚生に加え、次のような福利厚生を導入しているところもあるようです。
・年末年始の出勤手当
・福利厚生施設(保養所、スポーツクラブ等)利用
・永年勤続表彰
・慶弔金支給制度(結婚祝い金、出産祝い金、各種見舞金など)
・通信手当
・住宅補助
・海外研修制度
・再雇用制度
美容部員としてのスキルやキャリアアップを考えるだけでなく、「長く働き続けるために」という視点で独自の福利厚生を充実させている企業も増えているため、就職・転職の際には福利厚生に注目してみても良いのではないでしょうか。
【事例紹介】給料の良いブランド・福利厚生の良いブランド
実在する企業の中で、「給料が良い」「福利厚生が良い」と言われるのはどのような企業なのでしょうか。ここからは、実際の求人情報から給料の良いブランド、福利厚生のしっかりしているブランドを紹介します。
給与の良いブランド|エルメスビューティー(正社員の場合)
エルメスビューティーは、2020年に誕生した有名ブランドエルメスのメイクアップラインです。ここで働く美容部員の給与などの待遇は以下の通りです。
・月給:240,000円〜
・年収例:4,080,000円(月給+賞与年2回)
・その他:業績賞与年1回(前年度の会社及び個人の業績に応じて)
「その他」は、いわゆるインセンティブのようなものです。前年度の頑張りを給与に反映することで、次年度の収入増が見込めるシステムになっています。さらに、2022年の賞与は合計5ヶ月分が支給されています。
給与の良いブランド|エピステーム
エピステームは、ロート製薬が開発したエイジング・スキンケアブランドです。こちらでは、派遣社員が以下のような待遇となっているようです(関西エリア求人)。
・時給:1,300〜1,600円(21日稼働の場合、月給200,000円〜)
・各種保険完備、交通費全額支給、給与週払いOK、専任コンサルタントのサポート等
このように、給与だけでなく福利厚生を充実させ、週払いOKなど柔軟な対応をする企業も増加傾向にあります。
福利厚生の良いブランド|SHIRO
SHIROは、コスメやスキンケア、フレグランスなどを販売する日本のブランドです。SHIROでは、以下のような福利厚生が用意されています。
・年間休日:132日
・子ども手当(高校生までの子ども一人につき10,000円/月額)
・契約社員向けの勤続慰労金:200,000円/2年経過、500,000円/3年契約満了時
このように、正社員だけでなく契約社員に対しての慰労金を用意するなど、多くの社員を大切にする意識を福利厚生として表現している企業もあります。
給与決定の要素・収入を上げるポイント
では、実際に働くことが決まった時に給与が決められるポイントや収入を上げるポイントはどこにあるのでしょうか。特に、就職する際に重要視される点について解説します。
過去の経験・実績
美容部員は、年齢よりも経験が重要視される傾向にあります。多くのお客様の肌を知り、幅広い年齢層の方に対応できるようになることが、美容部員としての強みになるからです。
これから美容部員を目指す方は、次のような経験やスキルがあると業務で活かすことができるでしょう。
美容部員としての経験
他のブランドや百貨店で美容部員として働いていた経験のある方は、間違いなく強みになります。基本的な動きやお客様とのコミュニケーションを理解しているならば、それだけ他のスタッフが教育に時間を取られることがないため、早期的に戦力として活躍することも可能です。
ただし、これまでに経験してきた流れや常識が通用するとは限らないため、「今まではこうやっていた」や「前の店舗ではこうだった」という言動は避けるようにしましょう。それまでの経験は、あくまでも新たに就業した店舗での業務に活かす程度にすべきです。
対面販売の経験(アパレルや百貨店など)
美容部員は、百貨店等での対面販売が基本です。稀にオンラインでの対応を求められることもありますが、言葉遣いや動作など、常にお客様に見られていることを意識した行動は、経験があるかないかで大きく変わります。
客層が違う店舗であったとしても、基本ができていれば問題はありません。それまでの経験をフルに活かすことができるでしょう。
エステや美容職での経験
美容部員は、お客様に直接メイクをすることがあります。特に、相手の肌に触れるときは恐る恐る行動してしまうと相手に不信感を与えたり心配させてしまうことにつながるため、丁寧かつ堂々と行う必要があります。
そういった際のタッチやコミュニケーションなどは、エステや美容職の経験を活かすことができます。
役職・マネジメント経験
特に、小売業関係店舗でのマネジメントは評価される傾向があります。
・販売の現場で、部下への指導・教育の経験
・土日含めたシフト体制を組む などの経験が、美容業界(美容部員)のマネジメントを行う際にも、活きるためです。
語学力
近年、インバウンド需要が高まっており、海外からの観光客が日本の化粧品を買いにくることがあります。そんな時、英語や中国語、韓国語などを使った接客ができるととても強みになります。
また、接客販売ができるレベルに加え、その国の文化やメイクに関するトレンド、傾向などを知っておくと、さらに相手との深いコミュニケーションが取れるため、売り上げにつながるケースもあります。
日本の美容を知っておくことは当然のことですが、自分の勤務する店舗に来る海外観光客の傾向を理解して説明できるようになると、店舗からの評価も上がるのではないでしょうか。
販売業務で成果を出す(インセンティブ)
美容部員の経験、勤務年数が短くても稼ぐ方法があります。それは、インセンティブによって稼ぐことです。インセンティブを得るためには一定以上の成績は必要ですが、お客様とのコミュニケーションや相手に合わせた最適な提案をすることで成果が出れば、それが給与に反映されます。
ただし、インセンティブは企業やブランドによって異なります。また、売る商品によって変化することもあります。入社前にインセンティブについて知ることはできない方が多いことを理解しておきましょう。
資格取得(国家資格・民間資格)
美容部員になるには、特別な資格は必要ありません。そのため、資格がなくともスキルと知識があれば収入を上げることが可能です。ただし、資格によってはスキルや知識を確実に身につけることができるようになるため、結果としてインセンティブにつながることが期待できます。
国家資格|美容師
美容部員の仕事に役立つ国家資格は、「美容師」です。ヘアメイクやエステ、着付けなど幅広い分野でスキルや知識を活かすことができ、美容関連の資格の中でも重要度が高いといえます。
美容師免許は、取得するのに時間がかかってしまいます。ですが、メイクアップに関する授業が多くコスメ業界でも高く評価されている資格であり、美容業界で働く上で持っておいて損はありません。
民間資格|コスメ検定(日本化粧品検定)
コスメ検定は、コスメに関する知識を持つスペシャリストを認定する資格です。美容皮膚科学や法律分野の専門家が監修している試験なので、美容部員として実践で役立つ、確かな知識が身につく資格です。
民間資格|日本メイクアップ技術検定試験
この試験は、JMA(日本メイクアップ技術検定協会)が認定する資格試験です。メイクに関する知識と確かな技術を証明することができるため、外資系ブランドの美容部員として就業を目指す方は取得しておいて損はありません。
民間資格|メイクセラピー検定
メイクセラピー検定は、メイクと心理カウンセリングの手法を学ぶことができます。接客時の顧客満足度の向上につなげることができることから、近年は介護の現場でも注目されるメイクアップスキルです。
民間資格|メイクアップアドバイザー検定
顔分析や色彩について幅広く学ぶことができ、スキンケアやメイクアップといったコスメに関する知識だけでなく、美容部員としての基礎知識力を証明することができます。
美容部員の給与変動は?
美容部員の給与は、年齢や雇用形態など条件によって変化します。どのように変動するのでしょうか。
年齢
美容部員の仕事は、「卸売業・小売業」に分類されます。厚生労働省によると、年齢に応じて年収は変動するとされており、50〜54歳の年収377万円がピークです。
そのため、ピークを迎えるまでは年齢や勤続年数によって年収は上がり、ピークを超えると少しずつ下がっていきます。
なお、他の業種と比べて下がり方に差はないとされていますが、今後の情勢によって変動する可能性があるため、注意が必要です。
役職
給与は、役職につくことで一般職以上の昇給が期待できます。役職別の年収は企業やブランドによって異なりますが、店長やリーダー、マネージャー職などのキャリアアップを目指すのも一つです。
雇用形態
給与は、雇用形態によっても大きく変動します。例えば、パートやアルバイトで働く場合、シフトの融通が利きやすいことや比較的自由に働けることがメリットですが、地域や勤務先によって時給に大きな変化があります。また、正社員や契約社員は「同一労働同一賃金の原則」によって大きな変動はないものの、契約社員であれば昇給した時に引かれるものが少ないため、正社員よりも給与が高くなる可能性があります。
このように、雇用形態によって給与の変動があります。自分にあったスタイルで働くことで収入をコントロールしましょう。
しっかり稼げる美容部員になろう!
今回は、これから美容部員として就職・転職する人に向けて、収入や福利厚生について、また、収入をアップさせるにはどうすれば良いのかというテーマで解説しました。
すでに働いている方は、「語学を身につける以外に収入アップの方法はないの?」と思われたかもしれません。しかし、この記事から「自分ならこうすれば上がるかもしれない」と考える上でのヒントや、道筋を作るきっかけになれば幸いです。
美容部員は、工夫や頑張り次第で稼ぐことができる仕事です。お客様に喜ばれ、お客様にとって「なくてはならない存在」になるだけでなく、その分を収入という数字に反映させることができる、”稼げる美容部員”になりましょう!