メイクアップアーティストの給与事情を解説!年収アップの方法についても紹介
メイクアップアーティストは、お客様の美しさを引き出すプロフェッショナルとして、多くの人々が憧れる職業です。実績を積めば、芸能人のヘアメイクを担当したり、テレビや雑誌に取り上げられたりすることもあります。
しかし、給与面に関して具体的なイメージを持つ方は少ないのではないでしょうか? そこで本記事では、メイクアップアーティストの給料事情や年収アップの方法まで詳しく解説していきます!
メイクアップアーティストになるためには美容師免許が必要!
前提として、メイクアップアーティストとして働く、特にヘアメイクの分野で活躍する場合には、美容師免許が必要です。美容師法によると、「美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない」とされており、お客様のヘアセットやメイクを行う場合は美容師免許が必須となるのです。
ここで言う美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定義されています。免許取得をする場合には、高校卒業後に構成労務大臣指定の美容専門学校に2年以上通い、必要な学科の受講や実習を行う必要があります。最終国家試験に合格することで美容師免許を取得することができます。
出典:美容師法概要|厚生労働省
メイクアップアーティストになるには?資格・仕事内容・給与を解説 – 美容部員・コスメ・アパレル業界の求人・派遣 ミーテアップ
メイクアップアーティストの平均月収と平均年収とは?
メイクアップアーティストの収入は、どのように決まるのでしょうか。業界の給与事情や収入アップのためのポイントを分かりやすく説明していきます。
業界全体の給与水準について
メイクアップアーティストの給与は、働く業界や雇用形態によって大きく異なりますが、厚生労働省による令和3年の統計データによると、メイクアップアーティストの平均月収は約24.6万円。年収ベースで330万円というデータがあります。
出典:メイクアップアーティスト – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
出典:令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁
メイクアップアーティストの給与が低いといわれる理由とは?
フリーランスや独立したての人や、ヘアメイク事務所に所属しアシスタントスタートの場合、年収が100万~200万程度の場合もあり、下積み時代は副業をしながら一人前になるまでの道のりを過ごすケースもあります。一方で、キャリアを積み、顧客を増やすことで知名度や実績を持ったメイクアップアーティストの中には、年収1,000万円以上の収入を得られるケースもあり、給与の幅は広めです。
メイクアップアーティストの収入が安定しにくいとされる背景には、以下のような要因があります。
●アシスタントからスタートすることが多い:多くの事務所では、アシスタント業務からキャリアを始めます。初任給は20万円未満となることが多く、スキルアップが重視されるため、給与が抑えられる傾向にあります。
●フリーランスや契約社員が多い業界である:フリーランスや契約社員として働く場合、案件ごとの報酬や稼働日数に収入が依存します。そのため、月ごとの収入に変動が出ることがあります。
ただし、実績を積み重ねたフリーランスの中には、年収1,000万円を超える方もいます。経験やスキルを活かすことで、高収入を目指せる職種と言えるでしょう。
【働き方別】メイクアップアーティストの給料
フリーランス
フリーランスのメイクアップアーティストは、自身のスキルや営業力が収入に直結します。固定のお客様を増やし、大口案件を成功させることで年収1,000万円以上を目指すことも可能です。そのためには、SNSでの発信や自己ブランディングの努力が安定した収入を得るカギとなります。
ヘアメイク事務所(プロダクション)
ヘアメイク事務所に所属する場合、歩合制を採用していることが多く、実績に応じて収入が変動します。月収は20万~30万円が一般的ですが、1~3年の下積み期間中は年収が100万~200万円程度となる場合があります。安定した仕事を得やすい反面、大幅な収入アップには時間がかかることもあります。
化粧品メーカー
化粧品メーカーではブランド専属のアーティストとして働くお仕事もあります。メイクアップに関するマーケティン戦略に関わったり、ブランドイメージを広げるために店舗等のイベントで活躍します。月収は22万円~35万円を目安に実績や役割によって幅があります。
百貨店などで美容部員(BA)として勤務する場合は、月収は20万円前後から始まり、店舗のマネジメント業務を行う場合は45万円程度まで増えることもあります。製品企画や宣伝の機会も多く、安定した収入を得やすいのが特徴です。
ブライダルサロン
ブライダルサロンでは、花嫁のヘアメイクや着付けを担当します。月収は25万~40万円が目安で、繁忙期には収入が増える傾向があります。1件ごとの報酬が高めであるため、安定性と高収入の両方を期待できる職種です。

給与アップするためのポイントを解説!
実績や働き方によって収入のばらつきがある業界ですが、年収アップへの近道は、メイクアップアーティストとしての実力をつけるためのスキルの向上や自己研鑽となります。実力が認められ、人脈を広げることができれば安定した案件の獲得につながります。メイクアップアーティストとしての実力を高めるためのポイントを以下でご紹介します。
最新トレンドや技術を学び続ける
美容業界ではトレンドの変化が激しいため、常に新しい技術や流行を学ぶ姿勢が重要です。業界セミナーやオンライン講座を活用し、最新技術を取り入れることで他者との差別化が図れます。
営業力を磨く
特にフリーランスでは、営業力が大切です。人脈を広げるために交流の場に参加したり、SNSを活用したりして自己発信を行いましょう。フリーランスの営業では、職歴や実績によってお客様から信頼や期待をしてもらうことが重要になるので、自分自身の売り込みポイントをつくれると、お客様との信頼関係を築く安定した案件獲得につながりやすくなります。
資格を取得して専門性を高める
美容に関連している民間資格を取得することで、仕事の幅を広げることができる可能性が高まります。民間資格の中には、スキンケアスペシャリストなどのスキンケアに関するものや、パーソナルカラー検定など、お客様のニーズに合った提案をする際に役立つ資格などがあります。ここでは、メイクの色遣いに役立つ色彩関連の資格について紹介します。
◆色彩技能パーソナルカラー検定
この資格は、色彩の基本的な理論を習得し、色を見分けるための目の訓練を行うことが出来ます。メイクやブライダル、ファッションやネイルなどの分野において、個人に似合う色を提案する能力を証明します。メイクアップアーティストとして、「パーソナルカラー」などの基礎知識を活かし、一人一人に合う最適な色選びを提供できることで差別化を図れます。
出典:色彩技能パーソナルカラー検定® | NPO法人日本パーソナルカラー協会
◆カラーコーディネーター検定
色の性質や、特性など色彩に関する幅広い知識を習得することで、色の持つ効果をメイクやファッション全般に活かすことができます。特にシーンやニーズに合った色の提案ができる事で、顧客の信頼を得るポイントとなります。
出典:東京商工会議所検定サイト | カラーコーディネーター検定試験®
◆色彩検定
色彩が人間に与える影響や社会環境から、配色技法や色の基礎に関して学ぶことができ、文科省後援の資格です。1990年から始まり、2021年までに累計150万人が受験している、知名度のある資格です。色彩検定は、4段階の級に分かれており、最も高い1級に合格するとプロとして、色彩調和理論や即色などを最大限に活用した提案ができるため、特にクリエイティブな分野での価値が高まります。
成功したメイクアップアーティストの実例
著名なアーティストの収入例
テレビや映画、雑誌の撮影現場で活躍する有名なメイクアップアーティストとして、リサ・エルドリッジやシャーロット・ティルブリーが挙げられます。彼女たちはその卓越した技術と個性的なスタイルで、世界的に名を知られています。例えば、リサ・エルドリッジは多くのセレブリティのメイクを手がけ、YouTubeや著書を通じてメイクアップの魅力を広めています。一方でシャーロット・ティルブリーは、自身のメイクブランドを立ち上げ、大成功を収めました。このように、メイクアップアーティストとしてキャリアを積み重ね、知名度や実績を築くことで、年収1,000万円以上を目指すことも十分可能です。
趣味からプロへ転身したエピソード
趣味で始めたメイクがきっかけでプロになった方も少なくありません。特にSNSを活用することで多くのチャンスを掴むことができます。例えば、Instagramでは作品やメイクのビフォーアフターを投稿することでフォロワーを増やし、自分のスキルをアピールできます。また、YouTubeでメイク動画を公開することで、視聴者から信頼を得ると同時に、クライアントやブランドからのオファーにつなげることも可能です。さらに、TikTokの短い動画を利用して最新のトレンドメイクを紹介することで、幅広い層にアプローチできます。定期的な投稿と一貫性のあるブランディングが成功への鍵です。
メイクアップアーティストを目指す方におすすめの美容部員の仕事
メイクアップアーティストを目指している方にとって、同じ美容業界で働く職業にも目を向けるのはキャリア設計の幅を広げるうえで重要です。その中でも、”美容部員”という職業は特に注目されています。
美容部員は、化粧品ブランドの販売員として百貨店や専門店で働き、お客様に商品の提案やタッチアップを行う仕事です。実際に化粧品を試してもらいながら、肌の悩みを解決したり、理想のメイクを叶えるサポートをします。また、メイクの技術だけでなく接客スキルを磨ける点や安定した収入とキャリアパスを描きやすいのも特徴です。化粧品メーカーでの勤務が多いため、製品企画やマーケティングへのキャリアアップも可能です。
メイクアップアーティストとしての技術を磨きたい方、またはお客様と直接関わる仕事に興味がある方にとって、美容部員は魅力的な選択肢です。
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