エステティシャンに資格は必要?取得方法について解説!
キレイでいたいとき、力強い味方となってくれるのがエステティシャン。中には、エステティシャンとして女性の美を支えたいと思う人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、エステティシャンになるために必要な資格の種類や取得方法などを徹底解説!エステ業界で生きていくために必要な資格情報を網羅しているので、エステティシャン志望の人はぜひ参考にしてくださいね。
エステティシャンにとっての資格とは(役立ち度や取得のメリット)
まず、エステティシャンになるための必須資格はありません。そのためエステティシャンにとっての資格とは、職業に就くためのものではなく、知識や経験、技術を客観的に証明するためのツールです。
資格がなくとも挑戦できる仕事だからこそ、お客様からの信頼度を高めるために資格取得を目指し、知識を深め、技術を磨いていきます。結果、資格取得とともにそれに見合うだけの技量があるエステティシャンへ成長できるのです。
エステ関連の資格は以下のように分類されます。
- ・ボディ
- ・フェイシャル
- ・スパ&トリートメント
- ・アロマ
- ・脱毛
- ・衛生管理
- ・講師
衛生管理や講師以外は、施術の技術や知識を問う資格です。エステ関連の資格は多岐に渡るので、エステ全般の基礎資格を取得した後はそれぞれの専門分野に特化した資格を取得していくのが一般的です。
エステ資格の種類について
ここからは、エステティシャンの資格を一覧で紹介した上で、取得するメリットなども解説していきます。
エステ資格一覧
まず、エステティシャンに関する資格を国内資格・国際資格の2つに分けてご紹介します。
**国内資格**
まずはエステティシャンの国内資格からご紹介します。
- ・日本エステティック協会主催:AJESTHE認定エステティシャン
- ・日本エステティック協会主催:AJESTHE認定上級エステティシャン
- ・日本エステティック協会主催:AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー
- ・日本エステティック協会主催:AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン
- ・日本エステティック協会主催:AJESTHE認定ボディエステティシャン
- ・日本エステティック協会主催:AJESTHE認定衛生管理者
- ・日本エステティック協会主催:AJESTHE認定ソシオエステティシャン
- ・日本エステティック協会主催:AJESTHE美肌エキスパート®(美肌検定®)
- ・日本エステティック業協会(AEA)主催:AEA認定エステティシャン(基礎資格)
- ・日本エステティック業協会(AEA)主催:AEA上級認定エステティシャン(上位資格)
- ・日本エステティック業協会(AEA)主催:AEA認定講師(フェイシャル・ボディ)
- ・日本美容電気脱毛協会主催:JBEA認定美容電気脱毛技術者
- ・日本美容電気脱毛協会主催:ベーシック美容脱毛エステティシャン
- ・日本美容電気脱毛協会主催:JBEA認定美容脱毛エステティシャン
ザッと挙げただけでも14種類の資格がありました。
– 基礎資格と上級資格の違いと取得条件
施術内容に特化した資格もありますが、「AJESTHE認定エステティシャン」「AJESTHE認定上級エステティシャン」のように、難易度別に分かれている資格もあります。
基礎資格と上級資格との違いは、専門性の高さです。
例えば「AJESTHE認定エステティシャン」は、『エステに関する基礎的な知識と技術を持っていて、担当範囲のエステサービスを適切に行える人』に与えられますが、「AJESTHE認定上級エステティシャン」は『エステに関する“専門的な”知識と技術を持っていて、顧客ニーズに応えられるサービスを提供できる人』に与えられます。
取得条件は資格によって異なるため、事前に確認が必要です。例として「AJESTHE認定エステティシャン」の取得条件を見ていきましょう。「AJESTHE認定エステティシャン」の取得条件は以下の2つです。
- ・エステティシャンセンター試験に合格していること
- ・協会認定校で300時間以上のコースもしくは1000時間以上のコースを修了する。または1年以上の実務経験を有すること。
繰り返しになりますが、取得条件は資格によって大きく異なる部分です。資格取得を考え始めたら、まずは一通り取得条件をチェックし、無理なく取得できるかどうか確認しておきましょう。
**国際資格**
続いてエステティシャンの国際資格を紹介します。国際資格は海外でも通用する資格なので、国を跨いで活躍したい人は見逃せません。一覧で見ていきましょう。
- ・日本エステティック業協会(AEA)主催:AEA認定インターナショナルエステティシャン(最上位資格)
- ・CIDESCO主催:CIDESCOインターナショナル・エステティシャン
- ・CIDESCO主催:エステティック·ディプロマ
- ・CIDESCO主催:ボディセラピー·ディプロマ
- ・CIDESCO主催:フェイシャルサーティフィケート
- ・CIDESCO主催:Aroma Therapy Diploma
- ・CIDESCO主催:Spa Therapy Diploma
- ・CIDESCO主催:CIDESCO衛生管理資格
- ・国際エステティック連盟(INFA)認定:INFA(インファー)国際ライセンス
- ・ICAM認定:ICAMエステティシャンライセンス
- ・CIBTAC認定:国際ライセンスCIBTAC(シブタック)
- ・英国ITEC主催:アロマセラピスト
国際資格も施術内容や難易度別に分かれていて、ピックアップしただけでも10種類以上の資格があります。
なお、上記の資格はすべて民間資格です。日本国内では、エステティシャンに関する国家資格はありません。
エステ資格の取得方法
続いて、エステティシャンの資格を取得する方法について以下4つのポイントに分けて解説します。
- ・スクールに通う
- ・実務経験を積む
- ・独学で資格取得を目指す
- ・国際資格の取得方法
1つひとつ見ていきましょう。
専門学校やスクールに通う
エステティシャンの資格を取得する最も代表的な方法は、スクールや専門学校へ通うことです。エステの専門学科を有するスクールや専門学校は全国各地にあるので、確実に資格を取得したいならぜひ検討したいですね。
スクールや専門学校といっても特色はさまざまで、全日制もあれば夜間部や通信講座など、社会人でも通いやすいスクールもあります。すでにエステティシャンとして働いているなら、無理なく通える夜間制・通信制スクールで資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
また、資格の取得条件に「指定スクールで対象過程を修了していること」と定められているケースもあるので、取得したい資格を決めてからスクールを探すことをおすすめします。
実務経験を積む
専門学校やスクールへ通わなくても資格を取得する方法があります。それはエステティシャンとしての実務経験を積むこと。もちろん資格にもよるのですが、取得条件に「指定スクールで○時間以上学んでいること」が挙げられていても、実務経験があれば免除されるケースがあるためです。
例えば「AJESTHE認定エステティシャン」の場合、実務経験が1年以上あれば『協会認定校で300時間以上のコースもしくは1000時間以上のコースを修了する』という条件が免除されます。
さらに5年以上の実務経験があれば、上級資格である「AJESTHE認定上級エステティシャン」の『協会認定校で1000時間以上のコース、もしくはCIDESCO国際認定校コースを修了する』という取得条件が免除されます。
スクールや専門学校に通う時間的・経済的な余裕がない人も、資格取得を諦める必要はありません。経験を積みながら取得できる資格に挑戦してみましょう。
独学で資格取得を目指す
あまり数は多くないのですが、独学で取得できるエステティシャンの資格もあります。
- ・AJESTHE美肌エキスパート®(美肌検定®)
- ・AEA認定エステティシャン
- ・AEA上級認定エステティシャン
- ・AEA認定インターナショナルエステティシャン
- ・JBEA認定美容電気脱毛技術者
- ・ベーシック美容脱毛エステティシャン
ただ、ほとんどの資格で実務経験が必須となっています。『AJESTHE美肌エキスパート®(美肌検定®)』のように実務経験不要の資格は、プロというより一般向けの資格となるため、エステティシャンとしての信頼性を高める目的で資格取得を目指すなら、並行して実務経験を積む方法が現実的です。
国際資格の取得方法
国内資格と比べて取得が難しそうな国際資格。しかし実は、国際資格の取得方法自体は国内資格と大差ありません。
主に
- ・認定校で指定時間数のカリキュラムを修了する
- ・指定年数以上の実務経験を有する
- ・指定の筆記試験や実技試験に合格する
などが取得条件となります。
例えばスイスに本部のあるCIDESCO主催「CIDESCOインターナショナル・エステティシャン」の取得方法は、以下の2通りです。
- ► 認定校で1200時間以上のコースを修了+卒業時にCIDESCOスクール国際試験に合格+卒業後2年以内に600時間以上の実務経験を積む
- ► 3年以上の実務経験を有する人がポストグラジュエイトCIDESCO国際試験に合格する
国際資格は、国によって知名度のある資格が異なります。どこで働きたいかに合わせて、取得する資格を取捨選択していきたいですね。
エステ資格の取得の必要性
資格がなくても就業できるエステティシャン。時間や労力、お金を使って資格を取得するメリットが気になりませんか?ここからはエステ業界における資格の重要性と、取得するメリットを解説します。
エステ業界における資格の重要性
まずは、個人個人ではなく業界全体としての資格の重要性から解説します。
繰り返しになりますが、エステティシャンに国家資格はありません。資格を保持していなくても誰でもチャレンジできる仕事です。しかし、チャレンジできるとはいえ、サロンでしっかりと研修を受け、責任者からの許可が下りなければ施術することはできません。
ただ、結局のところはサロン毎での判断となるため、施術レベルに差が生まれてしまいます。ひどい場合は契約トラブルや事故に繋がり、消費者センターや国民生活センターへ相談が寄せられるサロンも……。
業界としてエステティシャンの国家資格までは必要としていないものの、ある程度の施術レベルを担保するため、各エステティシャンによる民間資格の取得は必要と言えますね。
資格を持つことで得られるメリット
資格取得には「業界の信頼性を保つため」だけでなく、個人個人にとっても信頼性向上・キャリアアップというメリットがあります。
**信頼性の向上**
資格を持っていない人でも同じ土俵で戦えるエステティシャンだからこそ、資格の有無で差が生まれます。
というのも、施術を受けてみなければエステティシャンの技術や知識量は分かりません。そもそも顧客にとっては、その技術や知識が正しいものなのか、信頼できるものなのかも判断できないのです。
しかし、資格を持っていることが分かれば、一気に信頼感が増します。「資格を持っているということは、身を預けても大丈夫なレベルの知識と技術を持ち合わせているのだ」と判断できるからです。
**キャリアアップ** 給与や就職活動におけるアピールポイントとしての役割
資格を取得していれば、キャリアアップの選択肢が広がります。というのも資格取得に向けて知識を深め、技術を高めていくことで施術レベルが向上していくため、社内での評価が高まるからです。実際、資格取得をきっかけにキャリアアップが叶ったケースは少なくありません。
転職活動も同様で、資格を持っていない人より資格を持っている人の方が採用されやすいのが現実です。資格を持っていないときよりも取得後の方がキャリアの選択肢が増えるので、まずは基礎的な資格から取得を目指してみてはいかがでしょうか。
エステ資格の取得に向けた準備
ここからは、エステ関連の資格取得に向けて今日からできる準備を3つのポイントで解説します。
勉強や訓練のポイント
実務経験を積みながら資格取得を目指す場合、まずは先輩や同僚の技術を観察し、真似るところから始めましょう。ある程度の知識や技術が身に付いてきたら、セミナーや講習会へ積極的に参加し、新しい施術技術・トレンドに触れる機会を増やしてみるのもおすすめです。
また、短期間のエステティシャン養成スクールに通ってみるのも、選択肢のひとつ。専門学校だと2年ほど通い続ける必要がありますが、養成スクールなら3ヶ月~6ヶ月で学びを深められます。学びたい知識や技術だけをピンポイントで学べる点も大きなメリットです。
特に、サロンでの研修やセミナーなどでは習得しきれなかった知識や技術がある人は、ぜひ一度養成スクールでプロの講師の力を借りてみましょう。
資格試験の対策のコツ
いくら資格取得に向けて学びを深めていたとしても、試験前には「本当に合格できるのかな……?」と不安を覚える人も多いでしょう。
そこでおすすめは、認定校による試験対策への参加です。資格によっては、認定校で対策講座や模擬試験が行われています。資格取得の可能性をなるべく高めたい人は一度参加を検討してみてはいかがでしょうか。
実践的な経験を積む方法
エステティシャンとしての実践的な経験を積むには、サロンで実務経験を積むのが一番です。しかし、サロンによっては採用後も雑用や掃除ばかりで、なかなか研修が進まず実践経験が積めないケースも珍しくありません。
できれば就職活動や転職活動の面接時に、研修内容や研修スケジュールなどを確認しておくと安心ですね。
エステ資格取得後のキャリア展望
最後に、エステ関連の資格を取得した後の話をしましょう。資格を取得することがゴールではないので、その後のキャリアパスも考えておく必要があります。どのようなキャリアパスを描けるのか、今回は主に3つの道をご提案しますね。
エステティシャンとしてのキャリアパス
まずは、今のサロン内でのキャリアパスを描いてみましょう。資格を何も持っていなかった頃に比べて、資格取得後は知識や技術のレベルを客観的に証明できるようになるため、社内での評価も高まっていきます。
そのまま実務者として経験を積むのも良し、店長やエリアマネージャーといったキャリアアップを目指すも良しです。
どちらにしても、資格取得後はエステティシャンとしての選択肢が増えます。理想のライフスタイルと照らし合わせながら、自分に合ったキャリアパスを描いていきましょう。具体的なキャリアパスを描けば、次のステージで必要な資格や経験が出てくるかもしれません。
思い描いたキャリアパスを実現できるよう、早めに準備していきたいですね。
独立開業や転職
エステティシャンは職業柄、独立開業や転職をしやすい傾向にあります。特に資格を取得し、客観的に知識量・技術レベルを証明できるようになれば、より一層、独立開業や転職の実現しやすさは高まります。
ただ、独立開業に関してはリスクもあるため注意が必要です。自分のペースで働けるメリットはありますが、全責任を背負うプレッシャーからは逃れられません。できれば独立開業前に、経営術やマネジメントスキルを習得しておくと安心です。
エステ業界以外へ応用
基本的にエステ関連の資格はエステティシャンだからこそ生かせます。しかし、実は意外なところで応用できる可能性もあるのです。それは、看護師という職業。「メディカルエステ」を聞いたことはありますか?
メディカルエステとは、医師の監修の元でのみ施術できる医療的なエステを指します。肌ケアやリンパケアなどの施術を行うエステで、エステティシャンには禁止されている施術もあるため、看護師が施術を担当します。
さまざまな事情で医療現場での就労が難しくなった看護師さんのセカンドキャリアとして、エステティシャンという仕事を選ぶ事例が増えているのだとか。その際、看護師としてだけではなくエステティシャンとしての信頼度を獲得するため、資格取得を目指す人が多いようです。
そういった背景を踏まえて、実はエステティシャンから看護師への転職を考える人もいます。エステティシャンとは異なり看護師は国家資格となるためハードルは高いですが、美容知識を生かして美容クリニックで働いたり、ある程度の経験を積んだ後で看護師×エステティシャンの両スキルを生かして独立したりと、さまざまなキャリアパスを描けます。
一口に「エステティシャン」といってもさまざまな道があるので、将来どのような働き方をしたいのか、定期的に考えていきたいですね。