美容師からの転職成功法!活かせるスキルと資格を公開|転職のプロが教える7つのコツ

美容師として働く中で、頭の中に“転職”の文字がよぎった経験はありませんか?「年を重ねる毎に自分の中で大切なものが変わってきた」「昔から挑戦したい仕事があって、今やらないと後悔する気がする……」と、転職を決意する人も意外と少なくありません。しかし問題は、美容師が異業種に転職できるのか?という点ではないでしょうか。

そこで今回は、美容師からの転職成功法を徹底紹介!必要な資格やスキル、おすすめの職種や成功事例などを紹介するので、ぜひ転職活動の参考にしてください。

美容師から転職を考える7つのきっかけ

そもそも、他の人はどういったときに転職を考え始めるのか気になりませんか?もちろん人それぞれ理由はありますが、主に以下のような理由・きっかけで転職を考え始める人が多いようです。

  • 1.職場の人間関係がこじれてしまった
  • 2.労働時間が長すぎる
  • 3.賃金が安くて生活が厳しい
  • 4.スキルアップやキャリアアップが難しい環境だった
  • 5.働き方の選択肢を広げたくなった
  • 6.やりたいことが変わった
  • 7.薬剤による手荒れや腰痛などで退職せざるを得なかった

それぞれ詳しくご紹介します。

1. 職場の人間関係が難しい

美容師に限らず、転職を考える理由の多くが“職場の人間関係”です。

特に美容師の場合、店舗全体で1つのチームとなって動く必要があります。人間関係が良好であれば多少トラブルがあっても乗り越えられますが、人間関係がギクシャクしているとさまざまな業務に支障が出るような環境です。例えば、スキルアップできなくなったり労働環境が悪化したりと、人間関係問題を発端にさまざまなトラブルが引き起こされます。

そして難しいのが、店内だけでなくお客様との人間関係も築く必要があること。技術やコミュニケーション能力が高ければ問題ないかもしれませんが、相手によっては些細なことでも大きなクレームに発展してしまうケースがありますよね。そのクレームがきっかけで転職を考える人もいるようです。

もちろん、お互いの歩み寄りで改善できる人間関係問題もありますが、残念ながら再構築が望めないほど悪化してしまうケースも珍しくありません。自分の力ではどうにも改善できそうにないと諦めた結果、転職活動を始めるパターンが多いようです。

2. 労働時間が長い

労働時間の長さをきっかけに転職を考える人もいます。

美容師の勤務時間が長いこと自体は知っていても、いざ働き始めると思っていたよりもきつく感じるのかもしれません。また、今は大丈夫でも将来的に厳しくなるのではないか、結婚や育児といったライフスタイルの変化に対応できないのではないかと不安に感じる人もいます。

サロンによって多少の変動はあるものの、ほとんどの美容師が1日10時間以上の拘束時間で働いています。残念ながらゆっくり休憩することも難しく、スキルアップのために残業も避けられない毎日。嫌になって転職を考える人が出てくるのも、致し方ないのかもしれませんね。

3.経済的な理由 「賃金が安い」

物価高が叫ばれる昨今。賃金の安さは生活水準の低下に直結します。特にアシスタントの場合は平均年収を大きく下回る賃金であるケースがほとんどなので、転職を考え始める人も多いようです。

スタイリストやディレクターなどを目指せるスキルを持っていて、自分自身に自信があり、周りも応援してくれるような環境であれば耐えられるかもしれませんが、そうでない場合はすぐに見切りをつけて次を考えたくなるのも納得です。

4.スキルアップ・キャリアアップが難しい

美容師に憧れて国家資格まで取ったものの、いざ働き始めるとなかなか技術を習得できず、キャリアアップどころかスキルアップも難しいと感じた結果、転職活動を始める人もいます。

美容師は華やかな職業のように思えますが、入社から約3年ほどはアシスタントとして下積みの毎日。営業時間外はスタイリストになるための勉強に励み、営業時間中は掃除や雑用といった補助業務を担当します。ここで理想と現実のギャップに悩み、次の道を探し始めるケースが多いようです。

5.自分が希望する仕事のスタイルと合わない

働く中で、自分の理想とする働き方との違いに悩む人も出てきます。例えば土日のどちらかは休みたいと思うようになったり、どこかのサロンに所属するのではなく、フリーランスで活動したくなったり。

特にコロナ前と後で価値観や考え方が大きく変わり、希望する仕事のスタイルを実現するために転職活動を始める人が増えてきています。

6.やりたいことが変わった

美容師になる夢を実現したものの新たにやりたいことが見つかり、転職活動を開始するケースも珍しくありません。

まったく別の業種を志望する人もいれば、職種自体は美容師のまま、希望のターゲット層やコンセプトなどを重視して転職活動する人もいます。

7.手荒れや腰痛などで辞めざるを得なかった

美容師あるあるですが、薬剤による手荒れや腰痛などの身体的な理由で続けたくても続けられなくなるケースも少なくありません。

学生時代は手荒れの経験がなかった人でも、頻繁なシャンプー・薬剤の刺激・手袋のラテックスなど、さまざまな原因で手荒れに悩まされることがあります。また、美容師は前かがみになる機会が多いため、腰痛になりやすい職業です。

毎日続く痛みやかゆみは大きなストレスとなるので、退職や転職を考えるには十分な理由と言えますね。

転職に必要なスキル・資格

転職を考え始めたとき、ふと「美容師からの転職は難しそう……」と漠然とした不安を抱える人もいるのではないでしょうか。そこでここからは、転職活動に有利に働く美容師ならではのスキル・転職時に求められることが多い資格・転職活動で役立つスキルや資格の身に付け方をご紹介します。

美容師以外でも活かせるスキル

美容師にとっては当たり前のスキルでも、異業種への転職時に有利に働くスキルがあります。その一例をリストにまとめました。

  • ・カウンセリング力
  • ・提案(営業)スキル
  • ・ビジネスマナー
  • ・コミュニケーション能力
  • ・観察力
  • ・時間管理能力
  • ・体力
  • ・マネジメント能力 など

ビジネスマナーやコミュニケーション能力、時間管理能力などは、どの業種でも必要なスキルです。具体的なエピソードを交えながら、どの程度身に付いているかアピールできると良いですね。

営業や接客業への転職を考えている場合、カウンセリング力や提案(営業)スキル、体力などがあると大きな強みとなります。

ただ、美容師は来てくれたお客様への接客スタイルが基本です。アポ取りや飛び込み営業がなく、ある程度の購買意欲があるお客様への提案が主なので、残念ながら絶対的な強みになるとは言えません。「経験を生かしながら、さらなる営業スキルを習得したい」というように、学ぶ姿勢も合わせてアピールすることをおすすめします。

続いて、お客様の髪型や服装などから好みのスタイルをある程度把握する必要のある美容師は、観察力が優れていることが多いので、同じように顧客の好みを察知する必要がある業種を目指す人はぜひアピールしましょう。

キャリアアップを求めて転職活動をしているなら、マネジメント能力のアピールも欠かせません。特に30代以上からは、マネジメント能力の有無が採用可否に大きく影響します。どのように店舗運営に携わってきたか、どういった点を意識しながらチーム作りをしてきたのか、面接の前に振り返り、まとめておくと安心です。

転職先で求められる資格

転職先では、それぞれの業種で必要な資格があるケースも考えられます。完全な異業種への転職を考えている場合は、その業種で必要な資格を調べて取得しておきましょう。

もし美容業界には身を置き続けたいと考えているなら、以下のような資格があれば役立ちます。

  • ・訪問福祉理美容師
  • ・ビューティーコーディネーター
  • ・着付け技能検定
  • ・日本メイクアップ技術検定
  • ・日本化粧品検定
  • ・色彩技能パーソナルカラー検定
  • ・色彩検定
  • ・マーケティング検定
  • ・ネイリスト技能検定
  • ・JNECネイリスト検定&JNAジェルネイル技能検定
  • ・プロアイリスト検定®︎ など

上記は、たとえ転職を考え直すことになったとしても役立つ資格ばかり。選択肢を増やすためにも、興味のある資格があれば前もって勉強しておくと安心ですね。

スキル・資格を身につける方法

転職に備えてスキルや資格を身に付けたいけれど、方法が分からず悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

まず、スキルは働く中で「習得」を強く意識するだけでも、身に付くまでの時間が大きく短縮できます。例えば接客スキルを身に付けたいなら、リピーターの多い先輩スタイリストの接客を観察してみましょう。言葉選びや表情、話すスピードや話題など、意外と気付かなかった自分にはない良さが見つかるかもしれません。

資格が必要な業種への転職を考えているなら、まずその資格についてのリサーチが必要です。国家資格なのか民間資格なのか、受験資格を満たす条件はあるのか、研修への参加は必須なのか、費用や受検スケジュールは問題ないのかなど、現実的に取得可能かどうかも考えながらリサーチしましょう。

資格の難易度によっては独学ではなく、スクールや通信講座などを活用した方が効率良く取得できる場合もあります。社会人でも通いやすいスクール・続けやすい通信講座があれば、美容師を続けながら転職に向けて準備しやすいですね。

美容師以外の仕事の選択肢

美容部員 資格

せっかく国家資格を取得し、スキルを磨いてきた美容師人生。「次の仕事でもできればこれまでの経験や知識を生かしたい」と思う人も多いのではないでしょうか。

美容師が転職する場合、以下のような仕事がおすすめです。

  • ・販売員や営業といった接客業・サービス業の仕事
  • ・デザイナーやアーティストなどクリエイティブ業の仕事
  • ・事務職やコンサルタントなどオフィスワークの仕事
  • ・スポーツインストラクターやトレーナーなどフィットネス業の仕事
  • ・ヘアメイク(ブライダルなど)美容関連の仕事

なぜ上記の仕事がおすすめなのか、それぞれの理由を詳しくご紹介しましょう。

販売員や営業といった接客業・サービス業の仕事

接客対応が嫌で転職を考え始めたわけでなければ、接客業やサービス業は美容師からの転職にピッタリの仕事。商品自体は違うものの、顧客の要望や悩み、希望スタイル、トレンドなどの情報を踏まえて提案する流れの中は、美容師と共通する部分が多く見られるからです。

接客の土台はすでに出来上がっているはずなので、商品知識や傾向などの情報をしっかり吸収していけばスムーズに馴染んでいけること、間違いありません。

特にアパレル販売員は美容師におすすめ!コーディネートは服だけではなくヘアスタイルやメイク、小物使いなども合わせて考えていくものだからこそ、美容師ならではの観点・センスは提案に大きく役立ちます。

アパレルの場合は、販売員からキャリアアップする道が複数用意されているケースがほとんど。店長やエリアマネージャー、バイヤーやMD、広報などさまざまなキャリアパスを描ける点が魅力です。

デザイナーやアーティストなどクリエイティブ業の仕事

美容師としての感性を生かすなら、クリエイティブ系の仕事を探してみるのもおすすめです。例えばデザイナーやライター、ディレクターなどは美容師として働く中で培ってきた感性や自己啓発力、トレンド把握力などを存分に生かせます。

異業種なので難しそうな印象があるかもしれませんが、未経験歓迎の企業が多い業種なのでチャレンジしやすいのではないでしょうか。社会人スクールや通信講座も見つけやすいので、不安な人は転職活動と並行して勉強しておくことをおすすめします。

事務職やコンサルタントなどオフィスワークの仕事

続いて、事務職やコンサルタントなどのオフィスワークも美容師の転職にはおすすめです。

まず、未経験でも挑戦しやすい業種であることが理由のひとつ。その分、競争率が高いのでできるだけ多くの企業にアプローチしていきましょう。

また、美容師として働く中で身に付いた時間管理能力や協調性、マネジメント能力が生かしやすい点も理由のひとつです。業務経験自体はなくても、事務職やコンサルタント業に生かせるスキルが身に付いているので、しっかりアピールすると転職活動が有利に進みます。

ただ、事務処理に関するスキルは必要です。ある程度WordやExcelが使えるに越したことはありません。簿記や会計士といった難易度の高い資格を持っているとかなり武器になりますが、取得までに時間と労力がかかるので現実的ではないですよね。

おすすめはMOSやITパスポート、秘書検定や文書情報管理士資格などの資格です。そこまで難易度が高くないので、転職活動を始める前に美容師業務と並行して資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

スポーツインストラクターやトレーナーなどフィットネス業の仕事

続いておすすめしたいのは、スポーツインストラクターやトレーナーなどのフィットネス業です。

持ち前の体力や美意識は、自分の理想を追いかけるフィットネス業界にピッタリ!美容師として培ってきた“美をサポートする姿勢”に通ずるものがあるので、体力や筋力に自信がある人、自分自身のボディメイクも心がけている人にとっては特に挑戦しやすい仕事ではないでしょうか。

結局のところスポーツインストラクターやトレーナーなども接客業に入るので、持ち前の接客スキルやビジネスマナーも存分に生かせます。得意分野とこれまでの経験を生かして、新たな道を歩き出したいですね。

ヘアメイク(ブライダルなど)美容関連の仕事

です。美容師以外で美容師免許が必要な仕事をリストにまとめたので、以下をご覧ください。

  • ・ヘアメイクアップアーティスト
  • ・カラーリスト
  • ・スパニスト
  • ・アイリスト
  • ・アイブロウリスト

また、同じ美容師ではあるもののサロンに勤めないという観点から言えば、訪問美容師も選択肢に入ります。

共通するのは、美容師免許がなければ就けない仕事であることです。それぞれ専門性が高い仕事なので別途技術や知識の習得が必要にはなりますが、美容師にしか間口が開かれていない分、事務職などと比べて競争率は低いと言えます。

会社に所属するだけでなく、フリーランスとして活躍しやすい職業でもあるので、ぜひ転職時の選択肢として考えておきたいですね。

美容師から転職するための成功事例

美容部員 面接

最後に、実際にミーテアップ経由で美容師からの転職を実現した成功事例を2つご紹介します。

【Aさんの場合】容師から美容部員への転職に成功

まずは美容師から美容部員への転職に成功したAさんの事例をご紹介します。

【Aさん】新潟出身の20代前半の男性です。地元の美容専門学校を卒業後、新卒で美容室に入社されました。社交的で明るく、お客様やスタッフからも信頼されるお人柄です。

<美容師から美容部員へ転職を決めた経緯>

新潟で美容師をしていたAさん。働く中で店舗の方針に違和感を持ち始め、次第にオーナーとの関係性がギクシャクしてしまったそうです。

そんな中、Aさんはあるフレグランスショップで、接客スキルが高く豊富な知識を持つスタッフと出会います。元々「いつか上京したい」という思いと、フレグランスへの興味を持っていたAさん。この接客をきっかけにフレグランス分野への転職と上京を決断し、転職活動を開始されました。

<転職活動の内容>

最初はスマホで「東京 フレグランス 求人」と調べていたAさん。フレグランスブランドの中でも特に希望していたブランドがあったため、リサーチを深めている中でミーテアップの求人を見つけたそうです。

その後、登録会を経て希望ブランドへのエントリーを進めていきました。実はこの時点でAさんはまだ新潟在住。転職活動と並行し、引っ越しのスケジュールや希望ブランドへ通いやすいエリアのリサーチなどを専任者に相談し、上京準備を進めたと言います。

<現在の勤務状況>

希望通り、現在のAさんは原宿にあるフレグランスショップで美容部員として働いています。「原宿はオシャレな方や海外のお客様が多く、毎日が刺激的です。先輩スタッフも優しい方が多く温かく迎えていただき、未経験だった私ですが今では1人で接客も任せてもらえるようになりました」と、イキイキと話してくださいました。

【Bさんの場合】容師から美容部員への転職に成功

続いて、Aさんと同じく美容師から美容部員へ転職されたBさんの事例をご紹介します。

【Bさん】長崎県出身の20代前半の女性です。東京で美容師として働くため、高校卒業後に美容学校への進学と同時に上京されました。人と接することが大好きで、誰とでも仲良くなれる明るいお人柄です。

<美容師から美容部員へ転職を決めた経緯>

Bさんは専門学校卒業後、都内の美容室に就職。2年間アシスタントとして勤務していました。しかし、スタイリストを目指していた矢先に腱鞘炎となり、ドクターストップがかかってしまったそうです。

アシスタント業務ができなくなり、残念ながら美容師への道が閉ざされてしまったBさんですが、「美容を好きな気持ち」は変わりませんでした。

美容業界の中で、セカンドキャリアとして興味を持ったのが“美容部員”という仕事。手を使う仕事ではありますが、施術やタッチアップが少ないブランドも多くあるため、自分に合うブランドを探すことにしたそうです。

<転職活動の内容>

美容部員に興味を持ったもののブランドが多すぎて、どこか自分に合うのか分からず悩んでいたBさん。興味のあるブランドの求人をリサーチしていたところ、ミーテアップのサイトを見つけました。

早速、登録会に参加され、ミーテアップ経由で第一志望のブランドへエントリー。残念ながらそのブランドとはご縁がなかったのですが、次に専任者から提案されたブランドにエントリーした結果、見事採用を掴み取りました。

当初は転職活動の方向性を絞り切れず悩んでいたBさんですが、手のケガだけでなく、これまでの職歴や経験、今後のキャリアパスなどを専任者へ相談する中で方向性が見えてきたそうです。

現在の勤務状況>

現在スキンケアブランドで勤務しているBさん。最初の雇用形態は派遣社員でしたが、現在は直接雇用に切り替わり、社員として働かれています。入社当初はサポート業務がメインで、次第にレジ業務やラッピング業務を任されるようになったそうです。

「先輩方がいつも私のことを気にかけてくださったので、安心して日々の業務にチャレンジすることができました」とコメントしてくださいました。

社員になったBさんの活躍は留まることを知りません。ブランド全体の売上上位に入ったり、一部のメンバーしか参加できない研修に声がかかったり、新規店舗のオープニングメンバーとして立ち上げを任されるようになったと言います。

「後輩も増えて、今は背中を見られる立場です。先輩方の手厚いサポートのおかげで私自身がこうなれたように、次は私が先輩方のような存在になれるよう頑張りたいと思っています」と話してくださいました。